Yatsugatake SkatePark STORY 【Issue 01】

2020年、オリンピックで競技としても選ばれたり、子どもにも小さい頃から教えたいという親御さんも増えているなど、なにかと注目はされているスケートボードシーン。
ぼくはスケートボードには乗らないけど(大学時代に練習はじめたものの断念、インラインスケートもかじってみたものの長続きせず)、そのカルチャーには多大に影響を受けてきました。
そのシーンに触れたのは、90年代。カウンターカルチャーとしての要素が色濃く感じられるストリートな雰囲気は、若かりし自分の「何者でもない」という劣等感にすっと入ってくるものがありました。
写真、映像、音楽などスケートカルチャーから派生して生まれるものはどれも共通した熱量、今でいうDIY精神を感じてメンズノンノで成長した少年にはとても違う世界の扉が開いた気がしました。山梨なんてなにもないと思っていた閉鎖的な環境があったからこそかもしれません。新しく何かを作れなくても、「そこにすでにあるものを使って楽しむ」ことがストリートカルチャーの醍醐味なんだと教えてくれました。
デザイナーになるぞーと思った頃にマイクミルズ(https://hanatsubaki.shiseido.com/jp/ninetys/6117/)に出会ったし、トミー・ゲレロ(https://www.fashionsnap.com/article/2014-09-14/tommyguerrero/)やマット・ロドリゲスなんかの音楽や(もろもろ完全に雑誌「relax」の影響です)、日本では『WHEEL magazine』などの雑誌カルチャーにも影響を受けました(平野太呂さんの写真を見たのもこのあと。https://www.houyhnhnm.jp/feature/188232/)。
そんな前置きはさておき、スケートボードの魅力は『誰かの人生を一枚の板と4つのウィールが変えて行くことがある』ことなんだと思います。

山梨県にはきちんと管理されていて天候関係なく安心安全に楽しめるスケートボードパークがありません。
そんな中、廃校になった小学校のプールを利用して、大人も子どもものびのびと滑れるパークを作るプロジェクトが立ち上がりました。
場所は旧北杜市高根清里小学校で、現在は八ヶ岳コモンズ(https://mt8commons.com)というNPOの団体が管理している場所です。
パークを作ろうとしているのは、林陽介さん。
林さんは、数年前にプロスノーボーダーを引退し、自然豊かな環境を求めて山梨県の八ヶ岳エリアに移住をしました。
ご自身もお子さんがいることから、北杜市での外遊びやスケートボードやスノーボードの魅力を子どもたちにぜひ伝えたいという想いが今回のプロジェクトにつながっています。山梨のスケーターの仲間たちの手伝いを得ながら、じょじょに整備を進めています。

「子供向けのスケートボードクラブを立ち上げることで、地域に暮らす親子にとっての新たな選択肢となり、子供達の可能性を伸ばすお手伝いができたらとても嬉しいです。また、スケートボードをきっかけに、そこからスノーボードへも繋いでいけたらと思っています」

大人も子どもも安心して使えるパークがこのプールにできると思うと、とても胸が熱くなりました。
これからの整備が大変なことは容易に想像できることではありますが。

今回クラウドファンディングで、支援を呼びかけています。プールの利用条件として、プール自体を傷つけないために、プール全体に耐久性のある材質の物を貼る必要があり、この施工を25mプール全体に施すとかなり高額になってしまい、そのための費用の支援を募っています。
林さんの強い想いだけでもぜひ読んでみてもらえたら嬉しいです。

https://camp-fire.jp/projects/view/182552

BEEKでも、このプロジェクトに共感してパークができていくまでを追っていきたいと思っています。
スケートボードやクライミング、BMSなどが街に根付くことでそこに生まれる熱量が長い時間でどう成長するか、とても楽しみです。

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Author BEEK

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