ADVENTURE in KOFU CITY Issue 04 「こうふのまちで会いましょう」

前回フォーハーツカフェの大木さんに長年このまちにお店をかまえる一店主としてのやりがいから苦悩まで、赤裸々にお話を聞くことができました。大木さんより長くお店を続けている方もいらっしゃいますし視点はさまざまあるとは思うのですが、いまの甲府中心市街地の姿が垣間見えたかもしれません。

先人の知恵はすでにそこかしこに蓄積されています。どのまちにも起こりうるまちの問題に、その知恵を活かさない手はないはずです。
甲府市リノベーションまちづくり構想策定委員会が発足した意味は、ぼく個人の見解としては甲府の未来をしっかりと見据えることだと思っています。
甲府のまちの未来。
なんだか大きな言葉。でも住んでるひと、まちにかかわるすべての人と切り離せない言葉でもあるんですよね。

甲府にしかない価値や人を認識して、多様なやりたいができる街になることがこれからの甲府に必要なはずです。
個人の意見というより、まちづくり構想策定委員会の総意として、そしてその想いがふつうにまちに反映されていれば良いのだと思います。さりげなく、いつのまにやら。
そのために甲府市さんと一緒に外部の人や意見も交え、まちのことを考えれるような場も作ってきました。

ADVENTURE in KOFU CITY

これからのまちづくりの中で、今までと同じようなことが繰り返され成り立っていくことはないでしょう。
甲府市としてもこれからの未来を考えていくときに、民間主導の公民連帯を見据えた事業に取り組んでいくことを目指しています。
いままでも多々あった、補助金任せであったり行政に全てなすりつけるようなまちの形成のされ方ではなく、行政と市民がすることを明確にしつつ、まちと人がさらに循環する持続可能なまちづくりに転換していきます。民間不動産も公共不動産も、それぞれ小さく・大きくリノベーションすることでやりたい人、できる人にタッチして、構想の実現を目指していくのが大きな枠組みです。

アート、レジャー、自然、温泉、アウトドア、歴史、農産物・食などが甲府の価値になっていくはずです。今、そうした目線で甲府を見てくれる人も増えてきているように感じます。それは、実践している人たちがいるからこそ、なんですよね。

ぼくらも関わらせててもらった「リノベーションまちづくり」は、今あるものを活かし、新しい使い方を実践し、まちを変えていくこと。
まちを変えるって大形な言い方だし、変わらなくてもいいところもたくさんあるけど、変えていかないと進まない道もあると思うんです。そのときに、空き家や空きビル、公園・道路などの公共空間まで遊休化した不動産という空間資源と潜在的な地域資源をかけあわせ、経済合理性も考えながら実現可能なプロジェクトを進めていくことが大事になってきます。
雇用の創出やコミュニティ再生、エリア価値の向上など、公民連帯だからこそできる取り組みをこれから甲府のまちでも展開していけることが望まれています(少なくとも公共の甲府市は望んでくれています)。「リノベーションまちづくり」はそのきっかけをつくる仕組み、装置みたいなものではないでしょうか。
活かすも殺すも、ぼくら次第。
今回の連載で書いているようなまちづくりのことだけではなく、なにごともそうだと思います。
ぼく自身も最初の章で言いましたが「まちづくり」という言葉はあまり好んでいません。
だけれど、言葉に固執するよりも何をやっていきたいかを考えて、仕組みをまちに反映させてその結果、みんなが誇れるまちができていればそれでいいと思うんです。

やりたいができるまちをささえる、長年商売をしている方々。新しくいつの間にやらやりたいを実現している若者たち。
新しい仕事やものづくりの拠点を甲府にうつしてくるひとたち。
いろいろなレイヤーがまちにあることが、どこにいっても楽しいと思えるまちの特徴だと思います。
そんな個性的な人に加えて、自然も近くておいしいものもたくさんあるなんて最高にハッピーです。
おすすめの場所は甲府にはたくさんあります。この連載ではお店のことまで書ききれないですが、ぜひ遊びにきてくださいと胸をはって言えます。
みなさん、こうふのまちで会いましょう。

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