花を育て、日常に届ける「Flowers for Lena」

By 2019.09.02SHOP, 未分類

山梨県で最北端に位置する北杜市。八ヶ岳や甲斐駒ケ岳に囲まれ、登山者に愛される山々があります。そんな北杜市に数年前に東京から引っ越してきてすぐに出会ったとても素敵な花屋さんがあります。
「え、ここお花屋さんなの?」と初めて通りかかった時に牛舎を改装した建物の佇まいが素敵すぎて足を止めずにはいられませんでした。その花屋さんが「Flowers for Lena」です。
緑が茂る広い敷地内の中で花を販売し、改装した牛舎は作業場とドライフラワーの売店として使われていました。
いました、と言ったのは実は今年から店舗が新しくなり、牛舎の方は現在は使われてはいません。のちのち、この牛舎も何らかの形で生かす方向で構想しているそう。
現在の新しい作業場でありカフェ&ショップ、販売を兼ねている建物がこちら(↓写真下)。奥行きがあり、とても開放感がある建物です。花の販売は道沿いに面した軒下で。Lenaの通りは長坂ICから登ってきて高原大橋を渡り清里に抜ける道。シーズン中は登りでなんだろうと気になった方が帰りにふらっと寄ってみる、なんてこともしばしば。

作業場ではスタッフさんが花を選定したり束ねたり、花を買う際には手を止めていろいろな相談にものってくれます。
Lenaが扱う花はすべて自分たちで露地栽培で育てて収穫したものを売っているのです。

一般的な花屋は、生花市場で仕入れて販売するというのが当たり前で、種を蒔き、自分たちで花を育てるということは花屋としてかなりめずらしいことなんです。さらにLenaでは、化学肥料は使わず極力農薬も控え、昼夜の寒暖差を活かしたこの地域にあった花作りをしています。

花を栽培している畑は北杜市内にいくつか点在しています。早朝の収穫に行かせてもらいましたが、どこも美しい畑でした。
ヒマワリ、ラベンダー、千日紅、アンモビューム、スターチス、ダリアなど、6月~10月の収穫期に約40種類の花を育て、収穫の時期で販売される花は変わっていきます。色とりどりの花は美しいだけでなく、生命力にあふれとても力強いんです。さらに、数を多く栽培していること、直売ということもあって値段がとてもお手軽なんです。東京にいた頃にもいわゆる駅に入っているような花屋さんで花を買っていたことがあったので、ほんとうに驚きました。

2Fではドライフラワーも販売しています。天井の上にもびっしりとドライにするための花が吊る下がっています。花に囲まれた部屋、映画で見たナウシカの地下室が脳裏に浮かびました。
ここで全ての花をドライにしているわけではなく、敷地の奥にドライ専用の小屋も建っています。こちらでも丁寧に時間をかけて花をドライにしていきます。色あざやかなドライフラワーは花束にしてもおすすめ。販売のほか、都内の雑貨店などにアレンジメントを卸しています。

現在の建物では、今年の営業からカフェとショップも併設されました。
カフェでは建物内でmamemura coffeeさんが焙煎したコーヒーと、にちにちおやつ なぎさんが作る卵・乳製品・白砂糖不使用のお菓子をいただけます。日によってお二人が交代でスタッフとしてもカフェに立っています。のんびりと、窓から見える緑に目をやりながら落ち着いて時間を過ごせる場所です。
ショップには日々の中で使える「持っていると嬉しいもの」が置いてありました。創業明治13年の「田中帽子」さんの麦わら帽子はとても美しいフォルム。地元北杜市のアパレルブランド「tel you」のエプロンやバッグもおすすめです。機能性とファッション性を兼ね備えています。他にも日常の中で長く愛用できるものが心地よく並んでいます。

Lenaと出会ってからは、日々のなんてことのない時にも友人に花を届けたり、仕事場の脇に花を添えたりと、日常に花を飾ることがふつうになりました。日々の中で花を飾れるのも近くに花が咲いていたり、気軽に行ける花屋さんがあるからこそ。フリーペーパーBEEK Issue01の時に「Living with Flower」と題して日常に花がある風景を掲載しました。
なんてことのない日にも花があるとなんだかうれしい。この気持ちはうまく説明できないけど、とてもよい感覚だなと思っています。
ぜひみなさんの日常にも花を飾ってみてください。


Flowers for Lena
山梨県北杜市大泉町西井出8240-1069
0551-45-8590 10:00~17:00 不定休

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Author BEEK

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