娘が腰の下ほどあった長い髪を切りました。
夏のある日「ママ、私髪の毛切る。暑いし、〇〇ちゃんと〇〇ちゃんみたいな髪の毛にする。」と。
「とうとうこの時期が来たか」と覚悟はしていたけれど、実際は生まれてからほとんど長さを変えた事がなく、日々色々ありながらもドライヤーの時間や髪の毛を結う時間はとても愛おしいものでした。
「お姫様みたいに結べないよ?」と説得してみたけれど車の中で口を真一文字にして動かない娘に本気さを感じて行きつけの美容師さんにカットの予約をしました。
未練たらたらで長い髪の毛記録を撮る母親をよそ目にハサミが入る毎にヒロインが変身するかのごとくくるくると表情を変える娘。
仕上がった姿は彼女によく似合っていて、美容室の帰り道はふたりで宙に浮きながら帰ったし、まだ残る暑さで汗ばむ首筋が堪らなくかわいくて、子供の思い切りの良さと親の執着のちっぽけさを痛感しながらも自分の極端さにも驚いた夏の出来事でした。