近くて遠い景色 vol.01

現実がずっと嫌いだった。
初めて見た異国の風景は確か小学生の時、授業でブルガリア共和国についてのビデオだったと思う。
内容はうろ覚えだけど、のどかな自然の景色と民族衣装を着たブルガリアの人たち。
ここにはないどこか遠くの景色がとても光り輝いていた。

いつからか頻繁に写真を撮るようになり、自分の育った町をはじめ 周辺の自然に自分のイメージを重ねるようになるにはそう時間はかからなかった。
日々を過ごす中で、映画や写真で見たどこか遠くの景色を追い求めて、日々空想で頭をいっぱいにした。
近くにいるのにどこか遠くにいるような錯覚。
少し非現実な感覚。

sakura fantasma

Author sakura fantasma

山生まれ山育ち。ホラー嫌いのFantasma(おばけ)。異国と音楽、紙と山をこよなく愛し、イラストやコラージュを主に国内外問わず制作&発表している。 WEB

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