凡そ日記_2021.10月

2021.10.3

今日はひょんなご縁で早川町へ行くことに。
実は数日前、愛ちゃんが偶々カフェで早川町に土地を持っている人と知り合ったらしく、僕が早川町に行くことを知っていた愛ちゃんは、その方に僕のことを話してくれたらしい。
昨日、愛ちゃんに会うと数日前の経緯を教えてくれ、その方の名前と電話番号、住所を書いた紙を渡してくれた。しかも、驚いたことにそこは、以前みわさんに案内してもらった集落と同じ場所だった。すごいご縁だなあと思い、早速電話をする。折角なので一度家を見に行きたいと伝えると、「明日はどう?」僕もちょうど予定が空いていた
急な話で頭が追いつかないが胸が躍った

当日は紙に書かれた住所にて待ち合わせ。家主さんは70代くらいの優しそうなご年配の方。
家はとても良いところだった。平屋の可愛いお家。陽が綺麗に差し込む家で、「人が集まる場所」というものを簡単に想像することができた。
空いた時間で集落を散歩したり、地元の人と話をしていると、この場所に懐かしさを覚えたりした。
天気は、気持ち良すぎるくらいの晴天。僕は一気にこの集落を好きになってしまった。

小さい頃は、色々な神秘を信じていたものだ。
花びらをひとつずつ取っていって、すき、きらいといい、好きな人が自分のことを好きかどうか試したり、横断歩道の白い線を踏んだら地球が爆発する!などとそんなことをよくしたものだ。
今ではそんなこと、しないようになってしまった。考えもしない

2021.10.6

今日は以前から予定していた移住登録希望書を書きに早川町へ
移住担当の方から早川町の話を聞く。担当の方は僕のやりたいこと、やろうとしていることを真剣に聞いてくれ、本当に僕のやりたいことがこの場所で出来るのか(例えば畑のことや、日銭稼ぎのことだったり)今一度よく考えて欲しいと忠告してくれた。親心のような優しさを感じた。自分の思いを話しながら僕は、早川町に行きたいのかわからなくなってしまった。それだけでなく、そもそも僕のやろうとしていることがわからなくなってしまった。自分のことを話しながら僕は、なに一つ僕は出来ないんじゃないか、という気持ちに駆られてしまった。自信なんて、ひとつもなかった早川町でどう生きていくか
なぜ早川町へ行きたいのか
何をしたくて、早川町へ行こうと思ったのか仕事とか、環境のことなどよりもまず、誰に問われても動じない、確固としたものが僕にあるのか探してみよう

どうなんだろう?

しかし、今日はよい気づきを得ることができた
移住担当の方には本当に感謝したい

2021.10.7

引っ越しの件で、ゆきさんに相談をする。

ゆきさんは普段、占星術、スピリチュアルを専門としていて数多くの人々をサポートしている。この日も、実家のおもてなし薬膳せっちゃんご飯との恒例のイベント、新月のお話会で来ていた。

自分が早川町に行くことに、どうして疑問を感じるのか?聞いてみた。本当は方角のことを聞く予定だったのだが、話していく中で、方角よりも、自分の中にある気持ちの方が大事なんじゃないのか?ということをゆきさんに気付かされた。

以下 気付き

引っ越し、というものより、僕が何に関心を持っていて、これからどうしたいのかが大切かもしれない。引っ越す場所、ではなくて、僕が何に力を注ぎたいのかが大事だ。
引っ越しより前にそこに気付けていなかったからこその違和感だったのだろう。
そもそも、引っ越しは本当に必要か?

自分のやりたいことを、誰のために注ぐのか、人と関わる中でどんなことをしたいのか。
不安を抱えている人のためにしたいことがあるのか(自分がそうなので、弱いものの味方でありたいという気持ちはずっとあるのだ。僕は弱いのか?笑)

自分が何かしてあげたいというよりは、何かを一緒にしたいというおもいがある→エネルギーの交換のようなものだ。

そういう繋がりが自然と循環している場所
そういうことを実感することができたり、いずれは当たり前になればいいと思っている

自分自身の存在意義を確認したい、ここにいて良いのか?そんな安心感を得たいのかもしれない

引っ越す前に、二週間でも住んでみるのいいかも、様々なことを感じてみる、自分の不安を消してあげる

僕は、生活の中で、今のナルラボのような楽しい時間を探したいのかもしれない

様々な気付きを与えてくれたゆきさんには感謝だ。僕の周りは本当に素敵な人で溢れている

2021.10.9

一日農作業。夕方ふとアサマデパーへ行きたくなり、急いで向かう。

店内には5つくらいのおとこの子がいて一緒に写真を撮り合ったりした。

タイのお経が流れている。いい曲だねえと盛り上がる。聴いた瞬間、これは特別なものだと確信した。ふと、店内にいた1人のお客さんが「ちょっと正座したくなってきた」と、正座しだす。僕もつられて正座。たけとさんも、じゃあ俺も。と正座。
僕は「やっぱりなー」と、不思議な感覚である。「こういう場所なんだ」と改めて思った。

僕はこの曲名が知りたくなり、すぐにインターネットで検索し探し出した。少し経って、自分のしたその行為にとても衝撃を受けた(というより、違和感に近かったかな)
僕は、この曲を、こんなに早く見つけたくなかったのだ。このイメージは、あの場所だけで想像したいものだった。けれど僕は、これからも平気で、自分の携帯でこの曲を聞いてしまうだろう。僕らはそんな世界に生きている。そのことが、事実がひどく辛かった。
「遠い流れ」のようなものを意識すればするほど、「今」と言うものが僕にはとてつもなく悲しいものになってしまうのだ

2021.10.11

祖母の家に行く。
墓地のところに一匹の猫。妙に馴れ馴れしい。こんな猫、初めてだ。
ふと、ああ、これはじいじなんだ!と思った。

2021.10.14

どうしようもない無気力に襲われ、自堕落、怠惰に陥り、自分はなんて情けないやつなんだろうと落ち込む夜がある。
しかし、そんな夜にも、誰かの言葉に助けられることがある。今は少し、それを信じてみようと思う。

2021.10.17

あと一週間で第二種電気工事士の試験日だということに今日気が付き、ふた月前に買ってから放置していた教材に手をつけ始めた

2021.10.18

なつやさんの新しい曲を聴いた。これは彼だけの曲ではなく、台湾で生活を共に過ごした友人たちも歌っていた。

うまくは言えないのだけれど、何かに触れて、瞬間、思考出来なくなったり動けなくなったりすることがある。この歌については、「そういったもの」としか形容することができない

2021.10.19

何とか勉強をする時間を取るようにしているが、まるで受かる気がしない。焦る。仕事中にせめて音声でも聞ければと、山程ある教材を活用する為YouTubeのプレミアムに登録した。もっと早くからやっておけば…なんて、僕は昔からこんな感じだ。2日前から勉強を始め受かった人の体験談なんかをみて勇気を貰う。直後、過去問に取り組んでみるが、あまりの出来なさに絶望。これはまずいと勉強になりそうなYouTubeの動画を片っ端からダウンロードしておく。それに満足してしまったのか眠くなってしまったので今日は寝る

そういえば、僕が電気工事士の試験を受けようと思った理由というのも書いておこう。
それは、とてもいやらしいもので、端的にいうと、肩書きが欲しかったのだ。
どうも、この世界では「何か」を名乗る必要があるらしく、僕はこれまで、初対面でのそういった受け答えの無意味さ、いや、白々しさに心底疲れてしまっていた。だからひとまず、これからは「どうも、電気工事士です」と挨拶してしまおうと思っている。
まあ勿論、理由はその為だけではなく、これは最初の思いつき、きっかけに過ぎない。
本来の目的は家の改造だ。僕がやりたいこと(将来のほんの少しの可能性の話だが)は、恐らくこの資格がないと出来ない。更に、取ってしまえばとりあえず食いっぱぐれることはないとも言われている資格でもある。まあ、それは僕が「そんな生き方」が出来ればの話だが。諸々、こんな風にさせた社会を恨むぜ、全く。まあ、全て自分のせいだからいいのだ。

2021.10.21

人生2回目の交通量調査のアルバイト

中江くんとは前回の交通量調査以来に会う。一体「なに振りだよ」と2人で笑ってしまった。今回も僕が誘ったのだ。

朝、目の前を過ぎゆく小さな班を作った小学生や、自転車で通学中の中高生をみたりしていると、なんとも言えない気持ちになった。過去の自分の姿を少しだけ想像したりする。
そこにあるべき、明るい記憶 を思いだす筈が、思いがけず「寂しかった僕」を発見してしまった。ただ、胸が痛かった。それでも通学中の若者たちは僕の目の前を颯爽と通り過ぎていく

休憩中、車の中で寝そべりながら林原めぐみの「翼をください」を聴く。車窓から、空を見る。果たして僕に青春なんてあっただろうか?様々な感情が、まるで昨日のことのように押し寄せてくる。
自分はやはり多感だな、と思う。それが良いのか悪いのかわからないけれど、最近は流れに、感じるままに任せてしまっている

今日の交通量調査は朝の7時〜19時体制で調査した。
その間、救急車を約10回は見た。やけに多かったように思う。

仕事が終わる頃、なつやさんが日本に帰ってくるらしいことを知った。25日には東京に着く予定だという。1年ぶりのなつやさんは、どんな表情をしているんだろう。ああ不思議。少しだけ、少しだけ世の中が動いている気がした

2021.10.23

森あかねさんのひみつの2人を聴いた
台湾での思い出の曲だ。少し経って、百恩さんのカバーを聞いたら、何だか色々あの頃のことを思い出してしまって辛かった。どうしてか、辛かった。
それから百ちゃんがよく、僕のことを「おーい、少年ー」と呼んでいたことを思い出した。

2021.10.24

第二種電気工事士の試験日。会場は山梨学院大学にあった。
大きいところ。ああ、本当にこういった場所では生きていけなかったなあー と安心安心。

試験が終わる。夏芽も丁度いいタイミングで予定が空いたみたいで会うことに。
数時間後、速報が出たので彼女と一緒に自己採点をする。受かった。当日の速報ではあるが、合格点が60点以上のところ70点だったのでひとまず大丈夫だろう。筆記に受かったので12月の技能試験も受けることになった。
夏芽に褒めてもらえたこと、嬉しかったな。僕が、実は褒めて伸びるタイプだったということを今更ながら確信した。今まで出会った皆さんたち、勘違いしていましたよ〜 僕はちゃんと、傷ついていたんだ

2021.10.25

今日で早朝の茄子の仕事が終わった
約ふた月の間だったけれど、我ながら毎朝本当によく頑張ったと思う

夕方頃、風の又三郎兄さんが早速ハーゲンダッツを買ってきてくれた。

実は試験勉強をしている時、あまりの僕のやる気のなさを見た兄さんが「もし受かったら60万やるよ」と言ったのだ。言ったはいいものの、流石にまずいと思ったのか、やっぱり「一括は無理だからハーゲンダッツで」という。
彼曰く、僕が試験に受かれば、月に2つハーゲンダッツを買って届けてくれるというので、
その計算だと彼はこれから先、約80年間、僕にハーゲンダッツを買い続けることになる。
嬉しい嬉しい。技能試験に受かったら何を請求しようか

2021.10.28

自分のやりたいことって?何度も考える。

それがわからなければいくら生活する場所を変えたって何も変わらない

お金の稼ぎかた、はもしかしたら少し考えて良いのかもしれない。誰かに頼るのが前提だと、誰かのせいにしてしまう。僕は、全て自分で責任を取れるような働き方をしたい

実際、俺に何ができる?
俺の価値とは何だ?
誰が何を求めている?
俺は誰に対し何ができる?
その方法は?あったとして、その為の技術は?

一体何に価値を見出そうというのだろう。
俺には、生きていく為の力がなさすぎる。
しかし、最早仕方のないことなのだろう。
俺が今探し求めているものは、恐らく今の社会で求められる、必要とされるそれとは全く反対方向のものなのだろうから

2021.10.29

早川町へ行ってきた。
今日は主に家のことで話を進める為、先日の早川町の家に行った。家主さんは、僕の話をよく聞いてくれるのでありがたい。というか純粋に嬉しい。今の若い人なんてくだらないことばかり考えているからね。

ひとまず、話は賃貸契約で進めていく方向で落ち着いた。それから、本当にありがたいことにこれから住む、住まないに関わらず畑は自由に管理してくれていい(現在、畑は森と化しているが)と言ってもらえた。
僕の気持ちとは裏腹に、早川町のことは本格的に進んでいく。しかし、考えても仕方ない。そんな時は身体を動かすしかないのだ。頑張れ尭也!

写真は畑からの景色とその一部

馬渕尭也

Author 馬渕尭也

2001年生まれ。山梨市出身。高校時代から周囲の人たちのありのままの姿や風景をフィルムカメラで撮っている。 高校卒業後台湾へ留学。帰国後の現在は、農業をしたり、地域の読書会に参加したりと、様々な場所をウロウロしながら生活というものを日々模索している。好きな作家は深沢七郎 Facebook / Instagram

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