− わたしのしごと − 小幡彩貴(イラストレーター/グラフィックデザイナー)

By 2017.12.01PEOPLE

フリーランスのイラストレーター・グラフィックデザイナーとして雑誌・書籍等で装丁や挿絵のイラストを手がける小幡さん。作品としてイラストの個展やグループ展が国内はもとより、台湾や香港など国外でも開かれるなど精力的に活動の幅を広げています。甲府出身の小幡さんは、2009年に東京の桑沢デザイン研究所を卒業した後、一度甲府に戻ってくるも、就職で再度東京のデザイン事務所に勤務することになり上京。約4年勤務したその会社を辞める直前くらいから、最初はノートの端に落書き程度で描いていたイラストを何気なくインスタグラムにアップするように。そのインスタにアップされたイラストを見た金沢にある音楽レーベル「Rallye Label」がいち早く小幡さんにイラストのオファーをしたそう。

「インスタ経由でメールがきて、最初はただただ驚いてこんなこともあるんだなって思いました。会社を辞めてからはバイトをしながらでしたが、描いたイラストを見てくれた人から依頼が来るといった感じで、少しずつイラストを描く仕事が増えていきました」SNSでの発信がきっかけになり“わたしのしごと”になっていった小幡さん。小さい頃から絵を描くのが好きで、学級新聞などによくいろいろな絵を描いていたといいます。ウェブの4コマ漫画大賞に友人の薦めで応募する時に、Gペンなど今も使っている道具を揃えて描き始めて今のスタイルになっていきました。

2016年、結婚をきっかけに地元の甲府に戻ってきて、東京にいた頃と変わらずフリーランスで仕事を続けています。どんな絵を描きたいですか、というシンプルな問いに、小幡さんは「目に見えないものを描きたい」と即座に答えてくれました。「見てもらう人に季節や風や温度を感じてもらえるように意識してイラストを描いています。春になると必ず思い出すこと、夏になると感じること、秋になると食べたくなるものなど、季節と関連づけて思い出を振り返ることが多いんです。1枚の絵だけど、風がなびいている感じやその場所の温度も見た人に伝わると嬉しいです」

シンプルだけどなぜか心をつかまれて惹きつけられるイラストだと感じていたのは、誰しもが持つ心の奥底の季節の記憶を無意識に刺激されていたからなのかもしれません。日々忙しくする小幡さんに息抜きはなんですかと聞くと、「映画を見ることとアイスを食べることです」とよく近所のシャトレーゼに通っていることを教えてくれました。


http://www.obatasaki.com
http://obatasaki.tumblr.com

BEEK

Author BEEK

やまなしの人や暮らしを伝えるフリーマガジンBEEKです。日々の暮らしの中から、やまなしの“いま”を伝えます。

More posts by BEEK