凡そ日記_2021.12月

2021.12.1

今日はゆうきさんと早川町へ行ってきた。前から話していた早川町の景色をみせてあげたかったのだ。集落を一緒に散歩したり、お互いこの場所について思ったことなんかを話したりしていると、とたんにこの場所が違う風に見えてくる。実は今までの疑問も(早川町への引っ越しのことについて)ゆうきさんなら解決してくれると思っていた。というのも、ゆうきさんが早川町へ来たら、おそらくまた違った目線で、この場所を語ってくれるだろうと思ったから。
勿論、色々な遊び、もしたりした。
しかし、結論 僕は若い人と何かしたいんだなあと思った。ここに対して愛着がないわけではない。もう何度も来ている。しかし、心からここだ!と思う何かがないのだ。
感覚というものは、とても大事だからね。
今まで、それに従って生きてきた僕にとってそれはすごく大事なことだった。
とにかく、そんな思いを抱えながら今回は早川町を後にした。

帰りにみたまの湯に行く。
そこでまた、長い時間話をするが、ゆうきさんには色々気付かされる。
僕は、どうしてか、自分の行動範囲を山梨県に限定していたらしい。帰国して、山梨の魅力に気付かされたところは多い。実際、ここはいい場所だ。しかし、自分の感性に素直に従ってみると、本当に「山梨だけ」なのだろうか?僕は、本当にそう思っているのだろうか。
「どうして一度国を出ているのに、こんな小さな場所に留まらなければいけないんだろう?」
そんなことを考える。

ここ(山梨)じゃなくていいのかもしれない、そう思った時、僕は心がまるで軽くなった。これだ、と思った。

2021.12.2

今日は、「旅」についてゆうきさんとコメダで情報収集をした。
どんなことをしている人がいるのか、会いたいひとは今何をしているかなど調べたりした。

結局、お金は必要なのだろうか?お金がないと人は逃げていくという事実を僕はこれまで何度も目撃した。
そこの違和感がやはり僕にとっての出口になりそう。その違和感をどうにかしてクリアしたいなと思う。
坂口恭平曰く、いろんな「大臣」を見つけることが大事らしい

そういえば僕は、実家が山梨の拠点ということに気づいた。
どこかで自分は山梨に実家以外の他の場所を作らなければと思っていたから、実家がもう既に居場所だ。と思ったらすごく気が抜けて安心してしまった

2021.12.4

思い出だけで生きていける力が欲しい

二日間、まるで死んでいるようだった
ゆうきさんがいるのに、どんな話をしたら良いのかわからない。
僕の問題はなんだ?
夏芽。僕は夏芽と一緒にいたい。
まるでどうしたら良いのかわからない。答えはわかっているのに傷つくことを避けられないのだろうか。傷つく?いや、しかし僕はどうなるんだろう?
昨日、夏芽は泣いていた。

夕方、兄が来て、少し話をしたりして落ち着いた。
抱えているもの、についてもゆうきさんと話せてよかったと思う。
僕はほんとう、人が苦手だなあ。こんなにも大好きなのに。
二日間、死んだ方がマシだ!とばかりずっと思っていた。僕のことを誰かわかってくれないだろうか?僕は寂しい。今日は泣いてばかりだ

僕はやはり、ここを離れたいんだろうか?
ああ、僕は寂しいことの好きな人間なのかもしれない。

僕は、ちゃんとケジメをつけたい。自分自身に対しても。夏芽に対しても。家族に対しても。
──── どうしてだ?いないなら、いないで大丈夫なのだ。そうして時々、思いだしては1人寂しがる。とんでもなく寂しがる。

誰も傷つけないこと。その為に、僕なんて幾らでも傷ついて構わないんだ

2021.12.5

ゆうきさんが、SNSを辞めたら友人と連絡が取れるようになったと言ってた。
SNSを使用するということは、つまるところ個人にみてもらいたいから。
ということは、それを辞めたら僕らは情報を個人に送りつけることができる。まるで手紙のように。結局僕も、誰でもいい誰かではなく、一人一人とちゃんと話がしたいし、繋がりたいんだよね。そう、そんな話をした。

第二種電気工事士、試験二週間前を切ったので勉強を始めた

どうしてだろう?勉強を始めたらどんどん自信が出てきた。どうも、勉強をすると自己肯定感が上がるらしい。それでは、僕は一体どれだけ自分を肯定してあげなくちゃならんのだろう?僕はそんなに何も無い自分が嫌なんだろうか?
毎度、勉強を始めるたびに溢れ出るこの感情は面白い。僕は勉強をしたことがないけれど、勉強が好きなのかもしれない

午後は、兄とゆうきさんと家の近くにあった温泉旅館、岩下温泉旅館へ

2021.12.6

節子に言われて気付いた旅のこと

「直球でいいじゃない」
「自分の思っていることはちゃんと他人に通じる」

僕はちょっとナイーブなのかもしれない。
諦めていた部分があったのかもわからない。

ゆうきさん「人は他人の物語に参加できるのが嬉しいからね」

ゆうきさんは、「この世に傷なんてものはない」と言っているのにどうして、傷つくのが怖いんだろう?もちろん、僕は怖いよ

人は、人と関わるのは面白いと思っている

ふと、最近どんな歌をきいているの?なんて友人に聴いたりした。僕にとっての幸せは、こんな所にある。
こんなことで僕は本当に10日ばかりは生きていけそうだ

夏芽にきちんと思いを伝えた。これでいいと思う。
伝えれているようで、伝えられていなかったことがあったのかもしれない。
僕はよっぽど不器用らしい。ちゃんと伝えられただろうか?伝えられたと思う。また伝えようと思う。愛している。ありがとう夏芽

2021.12.7

船越さんの講演のこと、頭に残っているのかな。少しばかり環境のことについて考えた。
たぶん、僕は偽善者になりたくないんだ

2021.12.11

2021.12.15

母と夏芽と「僕の旅」について話をした。
どんな話をしたか?僕の考えは理解されなかった。
だから、行動さえすれば良いのだと、そうしないことにはわかってもらえないとわかっていた。しかし、僕はもう、何もしたくなくなってしまった。僕は、何を間違えたのだろう?僕は「人を想う気持ち」 の一切をやめてしまおうかと思ったくらいだった。

何だろう、この気持ちは。僕は2人と話している間、どんな話をしようとも、一つも理解されない気がした。恐ろしかった。僕は、ひどく打ちのめされた。

母は、「引っ越す場所を探す人というのは、大体、何かやることや出来ることがあって探すんだよ」と言っていた。僕には、やることがないと言いたいのだろうか?
僕の気持ちを、僕が思っている、抱えている気持ちを箇条書きでも何でも書き出して、全部曝け出してしまいたい気持ちだった。
しかし、僕にはまだこの世の中に対する違和感というものを、言葉に出来るほどの確信も持ち合わせていないし、それらを言語化する力もない。ただしかし、僕ほどにこの世の中に対してただ、「本当のこと」を求めている人間はいないだろうと思う。
だから僕はこういう時、いつも悔しい思いをする。この狂いきった、痛覚を失ってしまった世の中に対して、僕にできることは行動するしかないのだ

夏芽が部屋に来た。「大丈夫だよ」と言って僕を抱きしめてくれた。「大丈夫じゃないよ」と、僕は自然と涙が出てきた

2021.12.18

今日は自分のした選択についてずっと考えていた。

そうか。僕はまず、どこかで自分の「生活」を実践してみればいいんだ。
夏芽ともすぐ会える。夏芽に来てもらえる。そんなことを考えると、やはり山梨で何かしたい。そうだ、山梨で生活を築き上げてようやっと、2人で何処かへ行くのだ。
俺がしたいことは、まず先に「場所を探すこと」ではなかったのかもしれない。第一に優先されるべき問題は、僕の疑問を全て解消してあげること。
「お金は、実は必要ない」ということを自分で実践することが、僕がやりたいこと、やらなければならないことだ。
もしかすると「旅」はその為の旅になりそうだ。 つまり、「旅」は、今、僕が住む場所を探すものではなく、自分自身の思考を確固としたものにするためのもの。

もし僕が他の場所にどうしても移りたくなったら。
別にそれは今でなくてもいいのだ。なつと話をしてから、長年でもいい、説得したりしながら、そうして2人で決めてから行くでも全然いい。
なぜか、僕は色々と人生を急ぎ過ぎている。ここでできることを考えよう。ここでできないことなどないのだから。

2021.12.19

第二種電気工事士、技能試験を終えた。たぶん、特に問題なければ受かっていると思う。試験管が採点するので、僕の方では合否はわからない。合否は1月28日にわかるらしい。
家に帰る。一週間振りの、何もない感じ。いつもは何もなくても何かしたいことがあったのだけれど、今は不思議と何もしたくない。欲が無い状態。それはお腹がいっぱいだからかもしれないし、母の話を聞いたあとだったかもしれない。
しかし、こんな感覚は久しぶりだ。まるで生きているのかわからない状態。どうしよう。何かしなくちゃ、なんて思っている。

2021.12.22

今日はナルラボの忘年会。
忘年会では色々な話をした。香織さんと美和さんに出逢えて、僕は本当に良かった。

帰宅してから夏芽と話をした。
お互いそれなりに「決意」を固めた

冬至の今日、僕は決意した。
「誰一人傷つかない世界をつくること」
世界?半径3メートルの人たちに対してそれが出来れば、それはもう世界になり得るだろう。そんな、世界。
僕は誰かが傷付くのをもう見たくは無いんだ

2021.12.24

ゆうきさんにあるメッセージをした。

クリスマスは夏芽と一緒に過ごした
ご飯はホタル食堂に。夜は友人がやっている民宿に。寝る前にプロジェクターでホーム・アローンを見た。なつは矯正を始めたらしい

2021.12.26

夏芽の家族とご飯を食べた。僕なりに色々不安もあったのかもしれない。こうして、皆んなと楽しくご飯を食べる。そんなことが、こんなに幸せだとは思わなかった

僕はちゃんと自分の生活があればそれだけでいいんだ。ただ、大好きな人と食って寝て、近くの人と楽しく話ができて。僕はそんな生活を作りたいし、何があろうとそれだけは必死に守りたいなと思う。

2021.12.30

友人たちと久々に集まる。僕は、もっと気軽に友人と会っていいんだなと思った。
久々に彼らと会って、僕は夢を語った。何も気を遣わなくていい気持ちのいい時間を過ごす

2021.12.31

アサマパートで年越しをする。年が変わる瞬間は、何か全く違った空気がこの場所を流れ、ある種異様な雰囲気であった。この場所で年を越せて良かった。
思えば今年は、たけとさんを含め、僕の人生において何かとてつもなく大きな変化をもたらしてくれるような人たちとの出会いがあった。そうしてこの場にゆうきさんがいることも何か不思議な気がしてならない

馬渕尭也

Author 馬渕尭也

2001年生まれ。山梨市出身。高校時代から周囲の人たちのありのままの姿や風景をフィルムカメラで撮っている。 高校卒業後台湾へ留学。帰国後の現在は、農業をしたり、地域の読書会に参加したりと、様々な場所をウロウロしながら生活というものを日々模索している。好きな作家は深沢七郎 Facebook / Instagram

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